今日から7月の中旬まで、飛び飛びにはなりますが、今学期の校長参観授業の様子を掲載いたします。先週の金曜日の校長発見授業とたまたま重なってしまったのですが、5月14日(月)の3校時に、3年1組の教室で校長参観授業を行いました。
国語の説明文「ヤドカリ」の文章をA~Eの5つに分け、それをプリントに順不同に配列し、理由をつけながら正しい順番に並べ替える授業の2時間目でした。
写真に写っているように、前時の学習で、子ども達が6つのパターン(ならび)になることを考え、さらに、最初に「E」の文で始まることと、「B」の文で終わることを確認してあることの説明がありました。
次に、担任の村松先生は、最初の文が「E」になることと最後の文が「B」になることを、説明文の「じどう車くらべ」や「たんぽぽのちえ」、「イルカ」の説明文と比較しながら、「E」が問いかけの文になっていることや「B」が「このように」という言葉を使いまとめの文になっていることなどの理由から再確認しました。
説明文の「はじめ」(E)と「おわり」(B)の確認ができたので、「なか」がどのようなならびになるのか、ワークシートを見ながら確認し、その理由も説明できるように時間をとりました。この時間をとることにより、その後のペアコミ(二人組の話し合い)や少人数での話し合いが充実します。
「なか」のならび方について、ペアコミや小集団での話し合いを行いました。写真からもおわかりになるのように、子ども達は積極的に自分の考えを相手に伝えていました。ここでしっかり自分の考えを相手に伝えることにより、自分の考えが明確になり、友だちの考えも理解することができ、その後の全体の学び合いの中でしっかりと自分の意見を伝えることができるようになります。
子ども達の案では、次に「A」の文になるのか「C」の文になるのかが論点となっていることを確認し、それぞれの意見を出してもらいました。ここで村松先生の指導が優れているなぁと感じたのが、次の2点です。
① まず、「C」が次に来ると考えた子ども達を立たせ、順にその理由を言ってもらい、理由が同じだった子は座るということを全員が座るまで続け、次に、「A」と考えた子ども達を立たせ、同様に理由を言ってもらい、すべての子どもたちの考えが表明できるようにしていたこと。
② 「A」の「このヤドカリは」の「この」を取り上げ、それが何を指しているのかを考えさせ、次に、「C」の「このヤドカリは」の「この」も取り上げ、同様にそれが指しているものを考えさせ、子ども達が「A」か「C」かを考えるヒントを出していたこと。
こういう二つの工夫のもと、子ども達は次々に自信を持って意見を言い、活発な議論が展開されました。この議論の中で一番良かったと思ったのが、意見を言ったすべての子どもたちが、根拠を明らかにしながら持論を展開したことです。こうした学習を通して、根拠を持って自分の考えを持ち、それを相手に伝えることができる子どもが育成できると感じました。
最後に、ワークシートに自分の考えを書き込み、学習感想を書きました。国語の学習でも、本時の学習で何がわかったのかを書くことで明らかにすることはとても大切だと感じました。時間の関係で、3校時内では学習感想を読むことができませんでしたが、私が見回っていると、「国語の授業では文章の中に手掛かりがあり、それを見つけることで根拠を持って自分の考えを持つことができる」といった内容を書いている子がいました。
国語の説明文の指導に定評のある村松先生ですが、さすがといった授業を展開していただいたことと、その指導に応え、素晴らしい学習をすることができた子ども達に大きな拍手を送ります!!