10月23日(月)の3校時に1年2組の教室で算数の校長参観授業をしました。単元名は「ひきざん」で、本時のねらいは「繰り下がりのある減法計算で被減数を分解して計算する方法(減加法)を理解する」です。
まず、今日の学習問題「遠足でドングリを13個拾いました。おもちゃづくりで9個使いました。ドングリは、何個残っていますか?」を土屋先生が黒板に提示しました。
次に、前時に学習した「16-2=」では「6-2」ができたので計算しやすかったけれど、今回は「3-9」は引けないのでそこが今日の学習の課題となることを確認しました。さらに、教室の横に掲示されている「さんすうのちょきんばこ」を活用し、「のこりは」とか「つかいました」という言葉があるから引き算で間違いないことも確認しました。それが、先生が一方的に確認するのではなく、先生の質問に子ども達が答えることを通して確認している点に感心しました。
子どもが黒板のところに出てきて、10の枠を使いながらタイルを13枚並べました。先生が意図的に、1から9まで数えながらタイルを動かしました。そして、「タイルを一つ一つ引くと大変ですね」「もうちょっと良い方法を考えましょう!」と言って、みんなでもっと簡単に引き算できる方法を考えることを提案しました。先生が自ら望ましくない方法を示すことにより、子ども達がよりよい方法を自力解決できるように導いています。
子ども達はタイルを13個並べ、そこから9個引く作業を行いました。ポイントは一つ一つ動かすのではなく、10個のタイルのかたまりの中から9個引くことですが、多くの子ども達ができていました。それは先生のわざと望ましくない方法を見せたことによる効果が大きいと思います。
さらにこの授業の優れている点は、自分のやった方法をワークシートにまとめさせました。そうすることにより、子ども達は自分の考えを明確にすることができますし、先生も一人一人の考えを把握することができます。こうしたステップを踏むことが、この後のペアコミに生きてきます!
ペアコミをしながら、自分の考えを友だちに伝えました。ここでも土屋先生の指導が優れていると感じたのが、次の点です。
・まずペアの二人に向かい合わせて座らせている点
・最初に話す人と聞く人、次に話す人と聞く人を明確にして話し合わせている点
・話し合いの時間を明確に示し、タイマーを使って時間を知らせている点
こうした工夫のお陰で、1年生でもしっかり説明し合うことができました。
指名されたペアの二人が黒板のところに出て、自分たちがどのようにしたのかを説明しました。写真からわかるように、積極的に発表していました! うまく言えないところは友だちが助けに入って説明を支援していました。こうした取り組みが、やがて友だちの書いた式からどのように考えたのかを解釈する高度な学習へとつながっていきます。2つのグループの子どもが自分たちの考えをそれぞれ発表し、その2つの方法の同じところはどこなのかを発表させました。その中で、「10から9を引いている」「3と1を足している」ということを確認し、それを「今日の学習のまとめ」としました。
さらに、土屋先生は「今日のまとめ」の掲示物を黒板に貼り、13-9をする時
①3から9は引けない
②13を10と3に分ける
③10から9を引いて1
④1と3で4
とまとめました。これから子ども達はこの計算を身につけなければいけないので、計算の仕方を発見するだけでなく、このように計算が身につくような指導が必要だと感じました!
基礎基本をしっかり定着しながら、子ども達が主役となって活躍する「学び合い」の学習を進めた土屋先生と、その指導に積極的に応え、素晴らしい学習を展開した子ども達に大きな拍手を送ります!!