7月5日(木)の1校時、3年2組の教室で算数の校長参観授業を行いました。
単元名は「あまりのあるわり算」です。本時のねらいは「あまりのとらえ方について理解を深める」です。
まず、担任の大森先生は本時の問題「ケーキが23個あります。1箱に4個のケーキを入れます。全部のケーキを入れるには、箱は何箱あればいいでしょうか。」を板書し、子どもたちはそれをノートに書きました。
次に、本時の学習問題は今までとどこが違うのかを子どもたちに質問し、「あまりが入っていない」ということを確認しました。今までは、例えば「同じ数ずつ入れると何箱に入り、あまりはいくつになるでしょう?」という問題でした。
次に、この問題で求めることを聞き、そこに線を引かせました。それを発表してもらうと、「箱は何箱あればいいでしょうか。」を求めているだけでなく、「全部のケーキを入れるには」と指定していることを子どもたちの発表から確認しました。この「全部のケーキを入れるには」が本時の問題を解く「見通し」であり、鍵になっています。ここをしっかりと押さえたので、この後の展開が子どもたちにわかりやすいものになったと思います。
次に、子どもたちの自力解決として、立式をさせ計算させました。子どもたちの考えた式と答えは
①23÷4=5あまり3
②23÷4=6
の2つです。あまりを聞いているわけではないので、②のような式と答えが出てきます。
そこで、①と②の式と答えのどちらが正しいのかを考えるために、本時の学習のめあてとして「問題にあう答を考えよう」を提示しました。「①と②のどちらが正しく、答はいくつになるのか理由をつけて考える」という焦点化された問題なので、子どもたちは考えやすく、全員集中して考えることができます。
次に、自力解決としてノートにどちらが正しいのか理由を書き込んだのですが、全員が本当に真剣に考えていました。写真を見ていただくとおわかりだと思いますが、図を使って理由を描く子どもや文章で書く子どもなどいました。その中で、多くの子どもたちがあまりの3個のケーキを入れる箱が必要であることに気づきました。これも、「見通し」と問題の焦点化が有効に働いた結果だと思います。大森先生は机間巡視をしながら、必要な子どもたちに支援をしていました。
自分の考えをグループで発表し、一つにまとめました。ノートにしっかりと書き込むことができているので、話し合いでも自分の意見をしっかり説明することができます。この話し合いの中でも、一番の問題はあまり3個のケーキをどう扱えばいいのかという点が焦点となりました。あるグループでは、「この3つのケーキを捨てるわけにはいかないから、箱を1つ用意して入れなければいけないよね!」という意見が出されていました。先生は各グループをまわり、必要に応じてアドバイスをしていました。
子どもたちが前に出てきて、何故5箱ではなく6箱になるのかを図を描いて説明したり、式を使って説明したりしました。こうした中で、子どもたちはあまりの3つのケーキのために5箱ではなく、あと1箱必要なことを全員で共通理解しました。先生は、子どもたちが全員「プラス1箱」を共通理解できるよう支援していました。
子どもたちの凜として集中した雰囲気の中、最後まで、あまりのケーキの扱いについて真理を求めて全員で探求していく素晴らしい指導をした大森先生と、その指導に応え、おわりの礼まで集中力を切らさずに学習し続けた子どもたちに心から拍手を送ります!!