１１月９日（金）の３校時、３年１組の教室で国語の校長参観授業をしました。
単元名は「説明の工夫について話し合おう」の「すがたをかえる大豆」
ねらいは「どのように『すがたをかえる大豆』が説明されているのかを読み取り、文章の内容を的確に理解することができる」
本時のねらいは「読み手にわかりやすい事例の選び方・事例を提示する順序を考えることができる」です。
まず、担任の村松先生は前時までの振り返りをしました。教科書の「すがたをかえる大豆」の文章について、「はじめ」「中」「おわり」の「中」にはどのようなことが書かれていたのかを確認しました。その上で、自分たちが書く「大豆」に関する文章の「中」の書き方について考えることを伝え、本時の学習課題である「『なか』のれいを三つ選び、ならべよう。」と板書し、子どもたちにそれを視写させました。本時は、５つの例から「中」として３つ選び、それを並べ、どうしてそのように並べたのかが説明できるようにする学習です。
次にどんな例を選べばいいのかを子どもたちに質問すると、「（大豆の）姿が変わるとわかるように」「読み手がわかりやすい例を使う」の２つが出されました。これは、子どもたちが自分の気持ちだけで作文を書くのではなく、「読み手」という相手意識を持ちながら書けるようにするための確認です。
さらに、大型ディズプレイを使って、読者に「大豆は様々な姿に変わる」ことがわかるように事例を選ぶことを確認し、さらに、どのようにノートに書いたらいいのかを示すために黒板に例を書きました。
自力解決の時間になりました。子どもたちは皆、真剣に取り組み、自分なりに３つの例を選択し、それを理由を考えながら並べ、さらにどうしてそう並べたのかの根拠（理由）を書き込みました。こうした学習を通して、国語の思考力や判断力、表現力を育てることができます！ 村松先生は、机間巡視を丁寧にしながら、支援の必要な子どもには適切に指導し、さらに子どもたちの並べ方を見取り、６つのパターンとして板書しました。
実際に子どもたちがどんなことをノートに書き込んだのか、写真を見ていただきたいのですが、小さくて見づらいと思いますので、１つだけ例を挙げます。
① きなこ
理由：きな粉が大豆からできているということを知らない人もいるかもしれないから
② みそ
理由：味噌などは大豆からできていることを知っている人もいるかもしれないが、菌の力を使っているとは知らないかもしれないから
③ 枝豆
理由：大豆をとる時期を早めると枝豆になることを知らない人もいるかもしれないし、枝豆もすがたを変えていることを知ってもらいたいから
このように、自分の気持ちではなく、相手のことを考え、相手に知らせたいことを理由としています。
村松先生は、黒板に示された６つの並びのパターンについて、子どもたちに「どうしてこのように並べたのか理由がわかるものはありますか？」と聞き、友達の考えを解釈させ、それを発表してもらいました。さらに、本人に並べた理由を話してもらい、友達の解釈と比較しました。そうした中で、次の理由で並べたことが明らかになりました。
① 簡単なものから難しいものに並べている（そうするとわかりやすいから）
※ あえて変わることを強調するために、難しいもの→簡単なもの→難しいものと並べている もありました。
② 大豆の変わり方の大きいものを取り上げる（例えば、大豆から豆腐）
③ 例外的なものを取り上げる（枝豆は大豆の若いもの・もやしは大豆を日陰で育てたもの）
これを皆で話し合ってまとめ上げることにより、子どもたちは根拠を持って選材（何について書くのか材料を選ぶこと）し、根拠に基づいてそれを配列し、相手にわかりやすい説明文を書くことができるようになります。
最後に学習感想を書き、それを発表してもらいました。
「〇〇君の最初は簡単だけど、後から大変身していることが良い文になっている」や「僕はＦの人がいいと思いました。なぜなら、例外を後にするのがいいと思ったからです。」などと友達の意見に関する感想を、理由をつけて書いた子どももいました。
「〇〇君の例外が先に出てて、簡単なものや味噌の大変身があって、僕も今度からそうしたいです。」と、友達の意見を参考にして、今後、文を書きたいという感想を書いた子どももいました。
「例外も少し入れたらいい。大変身するものも入れたい。」と学習内容を生かした感想を書いた子もいました。
このようなレベルの高い学習感想が書けたのは、村松先生の指導が的確で、この１時間で子どもたちの力を確実に高めることができたからだと思います！ 素晴らしい指導をした村松先生とその指導に応えて３年生としては大変レベルの高い学習を展開した子どもたちに大きな拍手を送ります！！
