7月11日(水)の2校時に、4年2組の教室で算数の校長参観授業を行いました。
本時の目標は「長方形、平行四辺形、ひし形を対角線で分割してできる2つの三角形は合同であることを知り、これらを使っていろいろな四角形を作ることができる」です。
今まで四角形としては、正方形はもちろん、長方形と平行四辺形、ひし形を学習してきたことを確認しました。
長方形と平行四辺形、ひし形のそれぞれの図形の特徴を発表してもらい、向かい合った辺の長さが同じこと、向かい合った角の大きさが同じこと、ひし形は4辺の長さが同じことを確認しました。対角線に切り分けた三角形が合同であることも確認しました。
本時の学習問題である「長方形や平行四辺形、ひし形を1本の対角線で2つに切って、それらを使っていろいろな四角形を作ろう」を板書し、子どもたちはそれをノートに書き写しました。
本時のめあてとして「どんな四角形ができるか考えよう」を示しました。子どもたちはこれもノートに書き写しました。
まず、長方形について考えました。担任の相澤先生が対角線で2つに切った長方形の紙を黒板に貼り、失敗例として5角形を作って見せ、これでは良くないことを共通理解しました。教師がわざと失敗して、そうならないように指導することはとても効果的な方法です。次に、子どもたちに実際に長方形を切り抜かせ、対角線で2つの三角形に分け、いろいろな四角形を作らせました。最後に、友だち同士の「学び合い」の場面も設定し、対話的な学習も保障していました。
子どもたちに黒板の所まで前に出て実際に操作させ、いろいろな四角形を作らせました。さらに、どの辺とどの辺を組み合わせたのかを答えさせました。その結果、長方形では「形の違う平行四辺形ができる」ことを確認しました。こうした学習ができるのは、相澤先生が教材教具を充実してそろえているからです。
自分が作った「形が違う平行四辺形」をノートに貼り、「形の違う平行四辺形ができる」を長方形のまとめとして書きました。板書とノートが一致するということで、家に帰ってからノートを見たときに学習の流れがよくわかり、これで学習のポートフォリオになります。
平行四辺形でも同じように子どもたち1人1人がノート上で四角形を作り、黒板で代表の子が四角形を作って見せ、「形の違う平行四辺形」ができることを確認し、ノートに図形を貼らせまとめを書かせました。同じことを繰り返しているように思えますが、じつはこれが子どもたちの主体的な学習を生み出しています。課題解決のための見通しが充分もてているので、子どもたちは自主的に問題解決をし、まとめができるようになります。
最後はひし形で同じことを行いました。この学習のポイントは、前述したとおり子どもたちが主体的に学習を進めているのですが、4つの辺の長さが等しいため、対角線が同じであれば組み合わせたいずれの四角形も形も大きさも同じ平行四辺形になるということに気づかせる点にあります。「主体的・対話的で深い学び」にするためには、学習方法について見通しが充分持てるようにして主体性を保障するとともに、条件によって結果に違いが生じ、その原因を考えることができる深い学びであることが望ましいのです。本時の学習はそのようなものになっていました。
最後に、本時の学習のまとめとして「長方形や平行四辺形、ひし形を2つに切って、それを合わせると、いろいろな四角形ができる」としました。子どもたちは集中力をとぎらせることなく、最後まで頑張っていました。
繰り返し型の学習で子どもたちが充分「見通し」が持てて主体的な学習となり、ペアコミも導入して対話的な学習も保障し、結果の違いに気づく学習を通して「深い学び」を実現していた相澤先生と、その指導に応え高い集中力を持って授業に参加し、質の高い学習をした子どもたちに大きな拍手を送ります!!