6月25日(月)の3校時に6年2組の教室で算数の校長参観授業を行いました。四角柱や三角柱の体積の求め方を学習してきた子供達が、本時では複雑な形の立体の体積を求める学習をしました。
四角柱や円柱の体積の求め方を学習してきたことを確認し、本時は写真に写っているような複雑な形の立体の体積を求める学習をすることを提案しました。
担任の望月先生は、黒板に貼った図形の小さいサイズの図を配り、子供達のノートに貼らせ、本時の学習問題である「立体の体積を求めよう」を書かせました。このようにすることで、子供達のノートが本時の自分の学習のポートフォリオとなります。
次に、本時の学習問題を解くための「見通し」として、どんな考え方をしていけばいいのかを発表してもらいました。次の4つの考え方が出されました。
◯ 図形の欠損部分を補って大きな四角柱にして、次に補った部分を引いて体積を出す ⇒ たしてひく
◯ 2つの四角柱に分けて、それぞれの体積を求めて足す ⇒ 分ける
◯ 小さい方の飛び出した四角柱を分けて、大きい四角柱につけると、1本の大きな四角柱になる ⇒ 分けて移動する
◯ 公式を使う(体積の公式=底面積×高さ)
子供達は、自分の考えを発表するだけでなく、全員で共通理解できるように前に出て説明をしました。望月先生は、その説明を支援し、子供達の説明がよりわかりやすくなるよう配慮していました!
ここで、本時の学習課題の「複雑な図形の体積を求めるときにも、底面積×高さの式が使えるか考えよう」が提示されました。子供達はそれをノートに書き写しました。学習問題から学習課題を作り出すこの授業の流れは、子供達の学習を深める上でもとても有効であると思います。
子供達に前に出てもらい、底面積はどこで高さはどこなのかを説明してもらい、全員で確認しました。
今回の立体が、複雑な形の角柱であることがわかる図を子供達に配り、それをノートに貼らせました。本時の学習課題が「複雑な図形の体積を求めるときにも、底面積×高さの式が使えるか考えよう」なので、底面積の求め方は自分なりの方法で、「底面積×高さ」の公式を使って問題を解かせました。全員、真剣に問題に向き合い、自分の考えた方法で解答を出しました。望月先生は、机間巡視をしながら子供達1人1人の解法をしっかりと把握するとともに、必要に応じて子供達を支援していました。
先生は意図的指名をし、この時点で3種類の解答を黒板に書いてもらいました。手を挙げた子を指名し、それを黒板に書かせた場合、教師の意図する解法が出てこないことがよくあるのですが、このように教師の意図的指名により、この後の授業展開に必要な考えを出させることができます。
もちろん、ここでポイントとなったのが底面積の求め方です。2つの長方形に分けて面積を求める方法が2種類、欠損部分を補って後からそこをひく方法が1種類出され、それぞれに高さをかけると3つの方法とも同じ体積になりました。
次に、今回は黒板に書いた子に説明させるのではなく、全員にその子の考えを解釈させ、指名した子どもに説明してもらいました。こうすることにより、友だちの考えをより理解する力がつくとともに、自分が説明する側に回ることができるため、子供達の集中力が高まり、授業が活性化します。
ここで、本時の学習課題である「複雑な図形の体積を求めるときにも、底面積×高さの式が使えるか考えよう」を再確認し、5年生の時に学習した直方体の体積の求め方を使ってこの体積を求め、「底面積×高さ」の時の答と同じになることを全員で共通理解しました。
本時の学習でわかったことを、1人1人が「まとめ」として自分なりに考え、ノートに書き込みました。その後、先生と子供達で話し合い、本時の学習のまとめとして「複雑な図形の体積も、底面積×高さで求めることができる」としました。これは、本時の学習課題とまとめが対になり、呼応しています。「学習課題」と「まとめ」として、理想的な授業展開です!
子供達の学習意欲はとても高く、どうしても4種類目の方法を発表したいという子どものために時間を取って発表してもらいました。これは、「分けて移動する」方法でした。
最後に先生は、かまぼこ形を示し、「このような形の体積も次の時間には求めたいですね!」と子供達に投げかけ、次の学習課題が授業の最後に示され、次の学習にも意欲的に取り組むことができる授業になっていました!
子供達が常に主役になり、主体的・対話的で深い学びとしてとても理想的な授業を展開した望月先生と、それに応えて常に学習意欲を持ち、素晴らしいアクティブラーニングを実現した子供達に大きな拍手を送ります。