3年生のページ 平成29年度

3年生のページ 11月1日(水)3年1組で校長参観授業をしました!

10月31日(火)の4校時に、3年1組の教室で音楽の校長参観授業をしました。この授業は、音楽における主体的・対話的で深い学びになっていました! 単元名は、せんりつと音色「森の子もり歌」で、本時の「ねらい」は「旋律やフレーズの特徴をとらえて、曲想を生かした表現を工夫する。」です。

最初にリズム遊びをしました。とても驚き、感心したのは、「リズム打ち」するリズムの音符を日直の子どもが考えて発表し、さらにその見本を日直の子ども達がやって見せ、全員で行ったことです。音楽のリズム打ちが「主体的な学び」になっており、日直の提案に呼応する点ではある意味「対話的な学び」にもなっていると思います!

こうした「リズム打ち」を3回の授業で繰り返しているようで、3つのリズム打ちの楽譜があり、その楽譜を①~③まで番号を振り、番号ごとやりたい子に手を挙げさせて分担をし、それぞれリズム打ちしました。担任の石渡先生は、常に子ども達の主体性を重んじた指導を心がけていることを感じました!

前時までに見つけた「森の子もり歌」の歌い方の工夫を確認し、歌ってみました。最初は小さい声で、次に元気に歌いました。クレッシェンドとディミヌエンドの確認が多かったように感じました。

本時の学習課題の「母さん鳥とちびっ子鳥の様子を思い浮かべ「ピラロ ルラ」の歌い方を工夫しよう。」を提示しました。その時に感心したのは、この学習課題の部分の楽譜を拡大して提示し、学習を焦点化している点です。子ども達は「この楽譜の部分の歌い方を工夫すればいいのか!」ということがわかり、取り組みやすくなります。学習を単純化することと焦点化することは、その学習を子ども達に積極的に取り組ませるためにとても大切な工夫です!

さらに、課題解決への見通しを持つために、親鳥とひな鳥の仲睦まじい絵を提示し、様子を思い浮かべやすくし、旋律を指でなぞることにより旋律の特徴をつかませていました! 歌い方の工夫のもととなるものは、その歌詞の表す情景や登場人物の心情と旋律やリズムの特徴であり、それをつかませるための工夫としては大変有効だと思いました。

子ども達に「ピラロはお母さんの声(鳴き声)、ルラは子どもの声(鳴き声)」ということと、旋律の特徴として「リズムが速い、休符や音が細かい、音がつながらない、音が跳ぶ」ということを子ども達の意見から確認しました。

見通しをもたせた後、ワークシートに自分で考えた強弱、歌い方などの工夫を書かせました。歌唱指導というと指導者の解釈のもと、子ども達にそれを実現させるように歌わせることもあるのですが、石渡先生の場合、子どもと一緒に曲を解釈し、子どもと一緒に歌唱を作り上げていました! 特に感心したのは、子どもの感じたことや歌い方の工夫に、理由を書かせていた点です。根拠を持って自分の意見を持たせることは、「深い学び」につながっていく重要な要素だと思います! さらに、机間巡視をしながら子ども達の学習状況を把握し、必要に応じて個別の支援をするとともに、全体に対して「ピラロはお母さんでルラは子どもなんだよね!」と考えるヒントを与えながら自力解決をさせていました!

次に、自力解決した「感じたこととその理由」「歌い方の工夫とその理由」について、班で話し合いをさせ、その結果をホワイトボードにまとめさせました。その班の話し合いでとても感心したのが、まず順番に一人一人の考えを発表し、それをもとにお互いの意見を交換しながらホワイトボードにまとめていた点です!

その後、班ごとのホワイトボードを黒板に貼り、一班ずつ子どもが黒板のところに来て発表していました。その際、単に子ども達に発表させるだけでなく、先生がその歌い方にした理由を聞いたり、子どもの発表した歌い方を先生がオルガンで弾いてみせて具現化していました。これは、子ども達の発表を「つなぐ」支援になっていました。例えば、ある班が「ピラロは小さく歌い、ルラは大きく歌う」と発表したとき、「どうしてピラロを小さくして、ルラを大きくするのか理由が言える人」と発問し、他の班の考えを解釈させ、その理由を言わせていました。さらに、先生のピアノ伴奏で実際にその通りに歌わせ、「これはどう? いい?」と聞いていました。ある班の考えを、学級全体の考えに広めていました。これも「つなぐ」支援です! さらに、クラスを2つにわけ、ピラロとルラの役割で歌わせ、子ども達の意見や感想を聞きながら、3年1組の歌い方を作り上げていました! さらに、「今、〇〇君がいいことを言ってくれたよ! 1番と2番を別の役割分担にすると全員が両方歌えるって! これはいいね!」と子どものつぶやきを拾い上げ、全体につないでいました!!

最後に全員で、みんなで考えた工夫を生かしながら歌を歌いました。皆さん、子ども達の写真を見て気がつきましたか? みんな、楽譜を見ながら歌っているのです! 楽譜をもとに歌い方の工夫を子ども達が考えてきたので、子ども達は楽譜をしっかり見ながらその工夫を生かして歌っているのです! こうした指導の積み上げの結果「楽譜を読む」という習慣が子ども達に身につくのですね!!

最後に学習感想を書きました。これが振り返りになっていますね! 「みんなの意見を聞いていると、いろいろな変化の仕方があったので面白かったです」とか「班のみんなやクラスのみんなと考えて、きれいに歌えたと思います」など、授業のねらいを十分達成することができたと思われる学習感想が出されていました!

音楽での主体的・対話的で深い学びを実現した石渡先生の的確な指導と、それに応えて素晴らしい歌唱を作り上げた3年1組の子ども達に大きな拍手を送ります!!